一度上げると下げにくい
どういった流れだったのかあまり覚えていないのですが、昨日の講習で面白い話を講師の方がしてくださいました。上司や社長の許可あるいは決裁を取るのは難しいが、一度取れて決まったことを覆すのはもっと難しいというお話です。確かにそうだなと納得したので、どうしてそう感じるのかを考えてみました。
まず思い浮かぶのは、それまでに費やした労力を無駄にしたくないと考えてしまうからだと思います。なんでもそうですが、苦労して実現したことや手に入れたものは、それそのものの価値以上に大切に感じてしまいます。そして許可や決裁となると自分以外の人の時間や労力も費やしている分、辞めにくくなります。
また、あることが一度動き出してある程度うまくいっているとなると、それを止めるのは少なからず不安がつきまといます。始める時にはとりあえずやってみて、ダメなら止めたらいいと言っているのですが、中途半端回ってしまうとそれはあまり想定しておらず止める理由がないのではないでしょうか。
少し違う話になりますが、生活水準は一度上げると仮に収入が減ったとさても以前の水準に戻すのが難しいと聞いたことがあります。私はそんな贅沢な生活をしているつもりがなく、またあまり設備にこだわりもないのでまだその感覚はないのですが、あるのが当たり前と感じているものがないのは耐えられないのかと思います。
一度変わった状況に慣れてしまいつつある時、過去はどうだったかというのをしっかりと残していくのは大変です。会社や組織となると、当事者がいなくなるためなおさらだと思います。そもそも過去の様子、状況を保存しておく必要はないのかもしれませんが、残すとなるとどうしていくべきなのか。そんなところに考えが至りました。そしてそれがあると上がったものを下げるのもまた容易なのか。これもきちんと見ていきたいと思います。
それでは、また。