さいごーどんの備忘録

香港⇒セブ⇒日本とセブを行ったり来たり 「毎日続ける」ことを目標に毎日の気づきと、時々現地の情報をお送りします。

記憶を風化させないために

フィリピンは第二次世界大戦で戦場になった場所です。現在の職場があるセブ島のITパークは、元は軍の飛行場です。戦争の記憶が風化してしまうことを防ぐために、今日は講演会が、15日には慰霊祭がセブ日本人会の主催で行われます。

私は戦争というものを知らない世代です。物心ついた頃から日本の未来はこの先明るくないというお話ばかり聞いてきましたが、少なくとも平和だったことは確かです。そしてそれが先人たちの努力によってもたらされており、本当に感謝するべきだと思います。

戦争に限ったことではありませんが、何事も記録を残すことはできます。事実や数値以外に、感情も書き記すことができます。しかし、そこに経験が伴わないと語れるものにはなりません。果たして、経験が伴う記憶はどうやって受け継いでいけば良いのか。これは考えないといけません。

おそらく一番良いのは、経験をした人から直に話を聞くことです。可能であればその地を歩きながら、写真を見ながらなどだとよりイメージがしやすくなるのだと思います。歴史として学ぶ、つまり覚える対象が、経験した人から聴くことで一気に鮮明になります。年号や日付というのは情報としては覚えにくいものですが、印象的なことがあると一気に大事な日として頭に残ります。

戦争のことを語れる人は、どんどん少なくなってしまいます。しかし、まだ知っている人がいるわけです。遠くに感じるような出来事が、確実に過去にはあった。そのように言える、証人となる人にもっと話を聞く。それもまた戦争を知らない世代としての義務なのかもしれません。縁があってフィリピンで暮らせているのだから、それはもっと大切にしていきたいです。

それでは、また。