本を紹介してもらえる楽しみ

ついこの間、カズオ・イシグロさんの『わたしを離さないで』という本を購入しました。ノーベル賞を受賞されたので、一時期話題になった方です。そのほとぼりが冷めた今頃になってこの本を購入したのは、姉に薦められたからです。図書館でこの本を借りて読んだ姉がとても感動し、読むようにと渡してくれたのですが、残念ながら図書館の貸出期間では読みきれなかったので購入したというわけです。

有名な本だからとか、みんなが買っているベストセラーだからという理由で本を買うことはほとんどありません。そういう話を小耳に挟んでいたときに書店で見かけて手に取った後買うことがたまにあるくらいです。その一方で、人から薦められた本はかなりの頻度で買っています。その人と同じ話題で盛り上がれるというのもありますが、紹介してくれた人がどんなふうにその本を読み進めたのか想像するのが非常に楽しいのです。「あの人がこんな本を読むのか」と、新鮮な驚きを感じられることもあります。

同じように私から本を紹介することもあります。古書店めぐりが趣味の領域に入りつつあるので、すごくお気に入りの本で、でもなかなか書店では見つけられないor高すぎて手を出しにくい、という本を見つけたときにはプレゼントしようと二冊目を買うこともあります。お互いに本を読める人間だと分かっている人同士ならではのやり取りだと思います。これがなかなか嬉しいことなのです。

自分が感動することも嬉しいのですが、自分の感動したものを人に伝えて、その人が感動してくれたらもっと嬉しいです。私の場合はその形が本のようです。こういうものを増やせると、楽しい人になれるような気がします。それもまた目標の一つです。

それでは、また。