さいごーどんの備忘録

香港⇒セブ⇒日本とセブを行ったり来たり 「毎日続ける」ことを目標に毎日の気づきと、時々現地の情報をお送りします。

香港留学、しよう!①言語編

最近寮のジムで身体を動かすことにハマり始めたさいごーどんです。

 

今日は、実際に来てみて分かった香港留学のメリットとデメリットについてお話したいと思います。

メリットとデメリットと言ってもこの2つは裏表であることが多く、一概に全ての点でおすすめできるというわけではありません。留学の行き先や期間は、留学をする人の目的に応じて決められるべきでしょう。だからこそ、香港留学で得られるものとそうではないもの(他の国や地域と比べて弱いところ)をお伝えし、参考にしていただけると嬉しいです。

幾つかの視点で特徴をまとめていきます。

具体的には、

・言語面

・知識面(大学での授業)

・文化面

・生活環境面

・その他

の5つの観点からお話します。一度の記事でまとめると非常に長くなりますので、一つの記事で一つか二つずつまとめていきたいと思います。

もちろん、これらには主観が入っていますので、全ての人に当てはまるというわけではないことをご承知ください。また、自分が留学しているのが大学学部間での交換留学なので、あくまでも学部レベルの留学の話になるということも同時にご理解ください。

 

1.言語面

 留学の大きな目的の一つとしてよく言われるのが、言語を学ぶことです。日本語は日本以外では基本的に話されない言語だと言うことを考えると、どこへ留学に行っても新しい言語を学ぶチャンスが有るという事になります。ただ、「外国語」の代表はやはり英語であり、英語を学べるかどうかは留学先を決める一つの大きな指標になるでしょう。

英語を学べるかどうかで判断したとき、香港はあまりおすすめできる環境ではありません。香港はかつてイギリスの統治下にあったため、広い範囲で英語が通じます。しかし、それは英語を学ぶのに適しているというわけではありません。香港で話されている言語は、通常「広東語」です。この広東語は中国語の一種であり、中国において共通語として定められている北京語(普通話)とは全く異なる言語と言えます。一つの漢字の読み方が全く違うのです。実際、日本で北京語を学んで香港に留学している学生でも、広東語を使うことはもちろん、聞き取ることもできません。そして日本人は見た目が香港の人と大きく異ならないため、まず第一声で使われる言葉は広東語です。つまり、日常生活において英語を使うということがあまりないのです。

言語を習得するために必要なのは、基本的な知識を身に着けた上でその言語を使わざるを得ない状況に身を置き、脳にその言語を理解し使用する回路を新たに創ることです。もちろん、英語しか話せない人が香港に行った場合、使う言語は英語でしょう。しかし、周りで話されている言語の多くは英語ではないのです。そのような状況では英語に触れる機会がそもそもあまり多くなく、脳の回路ができるのが遅くなります。そしてもう一つ厄介なのが、広東語の表記は日本語と同じ繁体字の漢字が使われているということです。日本人は漢字に慣れ親しんでいるため、日々目にするメニューや標識、値札などを読むとき、まず漢字表記から読んでしまうのです。そして、漢字の発音はできなくとも、意味だけを読み取ることはそこまで難しくなく、英語を読まなくても良いことがあります。このことにより、更に回路の完成が遅くなるのです。

ここまで読んで下さった方は、「大学の中でなら英語が通じるんじゃないの?TOEICTOEFLで留学できるかどうかの基準が設けられているんだし」と思ったかもしれません。確かにその通りで、留学先の大学の中では英語でのやり取りができます。学生は皆英語を学んでいますし、授業も英語で行われています。しかし、その英語は日本人の学生と同じく第二、第三の言語として習得したものであり、質の面で英語母語話者と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。それらの英語でも学習はできますし、語彙力は増えるでしょうが、英語を学ぶということを重要な目的の一つに挙げるのであれば、もっと別の地域への留学をする方が良いでしょう。

同様の理由で、北京語(中国語普通話)を学ぶことを第一の目標とする場合にも、あまりおすすめできません。香港でも北京語は通じることは多いのですが、第一の目標となるとやはり本場の中国大陸へ留学するほうが良いというのが事実です。

自分としては、そもそも言語だけを学ぶ留学というものに対して少し疑問を抱きます。日本では多くの教材が揃っているため、ある程度のレベルまでは自分でも言語の学習ができます。そこから更に高いレベルを求める際に、集中して時間と労力を割き学習するというのは、有効な手段だと言えるでしょう。しかし、もしそのような形の留学を求めるのであれば、一般的な交換留学やワーキングホリデー、インターンシップでは条件を満たすことが難しいように思います。言語だけに集中するには、あまりにも他にできることの選択肢が多すぎるのです。

やはり言語を学ぶのであれば、ある程度の基礎知識と語彙を身に着けた上で母語としてその言語を話す人のいる環境に飛び込むのが一番です。その意味では、香港で学ぶのに最も適している言語は広東語ということになります。何らかの理由で広東語をネイティブ並みに扱えるようになりたいというのでなければ、香港への言語学習を一番の目的とした留学はあまり現実的ではないと言えるでしょう。

あくまでも別の目的を幾つか準備した上で、言語も多少学んでいきたい、自分の言語力を試したいという程度で考えるのが、香港への留学で達成できるレベルだと言えます。

 

次の記事では、大学での授業の話を中心に知識面について話したいと思います。

 

今回も読んでくださりありがとうございました。

それでは、また。